MSFSのFSiPanelを使用して、都心ルートを飛行して羽田空港の16Lへ着陸する手順に挑戦します。機体はB787(ボーイング787 ドリームライナー)です。スカイツリー、新宿、東京タワー、お台場といった東京の名所を眺めながら着陸することができます。
※実際の運用、手順とは異なります。初心者でも楽しめるように記載しています。
※アップデード等で手順、画面が異なる場合はコメントいただけると幸いです。
目次
- はじめに
- 使用する機体とアドオン
- 出発準備
- FSiPanelの設定
- 機体の移動
- FMCの設定
- 飛行の開始
- 降下準備と降下開始
- 東京湾北部を飛行
- チェックリストとILSの確認
- アプローチモードと減速
- ILSをキャプチャ
- 都心上空を飛行
- 着陸
- <補足>ヘッドアップディスプレイの使用
はじめに
今回飛行する都心ルートは、羽田空港の発着数を増やして能力を向上させるために2020年に運用が始まりました。千葉県から東京湾を囲むように飛行して16Lへ着陸しますが、着陸までに東京スカイツリー、新宿、東京タワー、お台場など東京の名所を眺めながら着陸することができます。今回はB787でFSipanelを使用した手順を解説します。
オートパイロット(VNAV、LNAV、ILS)を使用した着陸です。
使用する機体とアドオン
① 機体
ボーイング787(B787-10)ドリームライナーを使用します。B787はプレミアムデラックス版にのみ収録されています。エディションの違いとアップグレードについてはこちらの記事を参照ください。フリーで公開されているANAのリバリーを使用していますが必須ではありません。

② FSiPanel
着陸練習に特化した有償のアドオンです。滑走路手前の任意の位置から飛行を開始できるので、繰り返し着陸の練習をしたい方や、今回のように好きな場所、高度から着陸を楽しみたい方にはお勧めのアドオンです。詳しくはこちらの記事を参照下さい。

③ Tokyo Landmarks Enhanced(オプション)
「SamScene3D」から販売されているMSFS向けのアドオンで、東京の都市景観を大幅に強化してくれます。

出発準備
機体はB787-10を選択し、羽田空港の滑走路16Lから飛行を開始します。

追い風だと着陸が難しいので、無風か南風にしておきます。

滑走路16Lからフライトが開始されます。FSiPanelが有効になっていることを確認します。

FSiPanelを起動します。空港がRJTT(羽田空港)、機体がBOEING 787となっていることを確認します。

FSiPanelの設定
今回はSTAR(到着経路)の「AKSEL L」上にあるウェイポイント「SNOKE」から飛行を開始し、東京湾の外側を反時計回りに飛行し、都心上空を飛行して羽田空港の滑走路16Lへ着陸します。

FSiPanelで「Select Fix」「Select STAR」の順に選択


STARは「AKSELL」をWaypointは「SNOKE」を選択します。

オプションで高度を「8000」フィートへ変更します。※高度を選択すると任意の数値を入力できます。

「Valiedate」を選択します。

STAR、WP(ウェイポイント)がSNOKE、at(高度)が8000ftになっていることを確認して「Move AC」を選択します。

機体の移動
FSiPanelが機体を指定した位置に移動してくれます。フラップ、ギアも自動でアップの状態へしてくれます。

高度が8000ftに到達すると以下の準備完了メッセージが表示されます。

FMCの設定
滑走路直前であれば、このまま飛行を開始して着陸の練習ができますが、今回はVNAVによる降下、LANVによって滑走路直前まで飛行するのでFMCを設定します。
①ルートの設定
「RTE」を選択します。

ORIGIN(出発空港)、DEST(到着空港)はともにRJTT(羽田空港のIACO)を入力します。

「ACTIVATE」を選択し、「EXEC」を選択します。


②パフォーマンスの設定
「PERF INIT」を選択します。

「ZFW(燃料を含まない機体+乗客+貨物の合計重量)」は左側を選択すると自動で数値が出てくるので、もう一度選択することで入力できます。

「RESERVES(予備燃料)」は5.0トン、「COST INDEX(効率 vs 時間のバランス値)」は80としておきます。

「CRZ ALT」は通常は巡航高度を指定しますが、今回は現在の高度8000を入力し「EXEC」を選択します。

③アプローチ速度の設定
「THRUST LIM」→「APPROACH」を選択します。


フラップ30°で着陸するので30°を選択し、FLAPS/SPEEDを選択します。


④到着経路の設定
「DEP APR」を選択します。

APPROACHES(到着滑走路)で「ILS 16L」を選択

STARSは「AKSEL L」を選択します。
※「PERV PAGE」「NEXT PAGE」で表示されていないSTARSを表示することができます。

「EXEC」を選択します。

④経路の確認と修正
「LEGS」を選択します。STARの出発地点AKSELから滑走路16までの経路が表示されています。

機体はSNOKEの直前まで飛行しているので「NEXT PAGE」を選択していき、「SNOKE」を選択します。

下にSNOKEがコピーされたら「PREV PAGE」を選択し、最初のページの一番上を選択します。

これで途中の経路(Waypoint)が省略され、機体はSNOKEへ向かうようになります。「EXEC」を選択します。

「NEXT PAGE」を選択していくとROTE DISCONTINUITYと表示されています。

経路がつながっていないということなので、「LORRY」を選択し「□□□□」を選択します。


これで経路がつながりました。「EXEC」を選択します。

飛行の開始
これで準備完了です!! 飛行を開始しましょう。
FSiPanelで飛行を開始するには機体により異なります。
メッセージを確認すると「HOLD YOUR BRAKES FOR 3 SECONDS」と表示されているのでブレーキを3秒押し続けます。

飛行が開始されます。
オートパイロットとオートスロットルは有効になっているので「LNAV」「VNAV」を有効にします。

機体は高度8000フィートを維持しながら、SNOKEへむかって飛行します。

千葉市東部の上空で東京湾も見えています。晴天にしているので遠く富士さんも見えています。

LNAVが有効になっているので、到着コースに従って自動で飛行してくれます。
ナビの縮尺はこちの「RANGE」ノブで設定できます。

降下準備と降下開始
しばらくするとND(ナビゲーションディスプレイ)へT/D(Top of Decend)の表示が見えてきます。降下の開始地点です。

オートパイロットの高度設定ノブを回して4000フィートへ設定します。ILSのグライドスロープをキャプチャする高度です。

FMCのLEGSでも確認することができます。RW16Lの一つ手前のWaypointの高度です。

「SPINE」で左旋回してしばらくするとT/Dを通過して自動的に降下が始まります。各Waypointの制限高度を守りながら指定した4000フィートまで自動で降下してくれます。

東京湾北部を飛行
しばらくは航路と高度はオートパイロットにお任せして大丈夫です。都心ルートならではの景色を楽しみましょう。



チェックリストとILSの確認
高度は順調に下がっています。

着陸に備えてチェックリストを実施しておきましょう。副操縦士席の前にある「CHKL(チェックリスト)」を選択すると副操縦士席のNDへチェックリストが表示されます。

副操縦士席のNDへチェックリストが表示されます。離陸後のチェックリストから始まるので「NORMAL」と各項目のチェックを選択して進めていきます。


LANDINGのチェックリストで止めておきます。

FMCの「NAV RAD」を選択し、羽田空港滑走路16LのILS周波数「111.95」が入力されていることを確認しておきます。

アプローチモードと減速
埼玉県川口市上空でWaypoint「SANDY」を通過すると「LORRY」へ向けて大きく旋回が始まります。

アプローチモードを有効にします。ILSをキャプチャすると滑走路へ向けて飛行、降下してくれるモードです。

PFDのLNAV、VNAVの下にLOC、G/Sが表示されます。

しばらくすると指定速度が240ノットから188ノット※へ変わり減速が始まります。
※気象条件、重量により変化

フラップを1°展開します。キーボードの「F7」キーで1段階ずつ展開できます。

速度計に表示される緑色の数字を見ながらフラップを展開していきます。1が中心に近づいたら次のフラップ5°まで展開していきます。

フラップを10°まで展開したらギアダウンします。キーボードの「G」キーでもギアダウンできます。
引き続きフラップも展開していきます。

都心上空に差し掛かる前にギアを下ろし、フラップも全て展開された状態です。
実際の運用では騒音対策のために、もっと滑走路に近づいてからギアもフラップも展開するそうですが、今回は早めに機体を安定させて都心の景色を楽しみます。

ILSをキャプチャ
しばらくするとILSをキャプチャします。
LNAVがLOC(ローカライザ)へ、VNAVがG/S(グライドスロープ)へ変わり、ILSに誘導されて滑走路へ向かって降下していきます。


都心上空を飛行
ILSによって滑走路まで誘導されるので都心の景色を楽しみましょう








着陸
お台場が見えると、滑走路もすぐそこです。着陸に向けて準備を始めます。

スピードブレーキをアーム(着陸時に自動でスピードブレーキが展開されるモード)へします。

LANDINGチェックリストで「スピードブレーキ」「ギアダウン」「フラップ」が全てチェックされていることを確認します。

高度が1000フィートくらいになったらオートパイロットをオフにします。
※機体の特性なのか、MSFSの787はオートパイロットをオフにすると機体が大きく揺れるので注意です。詳細ご存じの方がいれば教えてください。

オートスロットルもOFFにします。N1(エンジン回転率)は50%前後にしておきます。高すぎると高度が下がらす、低すぎると失速してしまいます。

ILSも確認しながら滑走路に向かって降下していきます。ILSについてはこちらの記事を参考にしてください。

高度が30フィートになったらフレアをかけて、スロットルをアイドルにして着陸します。

自動的にスポイラーが立ち上がるので逆噴射をかけます。

40ノットくらいになったら逆噴射をやめてブレーキをかけて停止します。

FSiPanelでレポートが表示されます。停止までの距離、設置時のセンターラインからのずれ、が表示されます。

いかがだったでしょうか。FSiPanelを使用することでアプローチ途中から手軽に飛行を開始でき、オートパイロットに操縦を任せることで都心の景色を堪能できたと思います。
着陸がうまくいかない場合はFSiPanelのShort Final、Long Finalを選択することで滑走路手前から飛行を開始して、繰り返し着陸の練習もできます。

<補足>ヘッドアップディスプレイの使用
787にはヘッドアップディスプレイが装備されています。好みはありますが、着陸時に使用することで正確に滑走路へ向かうことができます。
中心の大きな丸を小さな丸へ合わせるように操縦すると滑走路へ誘導されます。

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